下から読むとメッセージが逆転!話題の広告と同じ手法の英文を読んでみよう

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少し前に、そごう・西武の広告がすごい!とSNS上で話題になっていました。

上から読むとなんだかネガティブな内容ですが、一番下から一行ずつ上に向かって読んでいくと、あらびっくり!意味がひっくり返って、プラスのメッセージに変わるというものです。

【西武・そごう】わたしは、私。|炎鵬の逆転劇 スペシャルムービー

大逆転は、起こりうる。
わたしは、その言葉を信じない。
どうせ奇跡なんて起こらない。
それでも人々は無責任に言うだろう。
小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。
誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。
今こそ自分を貫くときだ。
しかし、そんな考え方は馬鹿げている。
勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。
わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。
土俵際、もはや絶体絶命。

出典:そごう・西武の広告

下から読むと意味が逆転する英文

このように逆から読むと意味が逆転するような手法自体は、実は新しいものではなく、過去にも同じ手法で作られた文章や詩が話題になったことが何度かあるようです。

私もこの広告を見たときに、似たような構造を持つある動画を思い出したので、ご紹介したいと思います。

タイトルは、「Translators Are a Waste of Space」。
「waste of space」は直訳すると「スペースの無駄」、つまり「役立たず」のような意味になり、翻訳者の私にとってはなかなかショッキングなタイトルです。

ちなみにこの文章は、ノルウェー文芸翻訳者協会のErik Skuggevikという人が作ったものだそうです。

上から読むと、翻訳者をただただディスる内容なのですが、最後からさかのぼって読んでいくと……

Translators Are a Waste of Space

【和訳】
私に言わせれば、翻訳者は無駄な存在だ
言語バカで
翻訳は読者を魅了して訳書をなんとか面白いと感じさせる
唯一の方法だと勘違いしているが
そういう人たちのせいで
賞賛の価値が下がっている
私には何の興味もない
翻訳者は退屈な人たちだ
何人かの翻訳者から聞いた話では
本が発売されても報酬はごくわずかだそうだ
翻訳者は落ち込んだ時でさえも
言語のことしか考えていない
いつも的外れの質問をしてくるし
仕事はないかとせっついてくる人もいる
この国の出版社が支える品質レベルは信じがたいものだ
そろそろ助けを呼んで作業をきちんと終わらせてしまおう
翻訳者は欲に突き動かされている
翻訳者を叩きのめし、報いを受けさせよう
他の人たちと同じように
まっとうな仕事をして生活することの何が悪いんだ
翻訳者はごく普通のことにも報酬を求めるが
私はノーと言う
ただの日常業務じゃないか
キリストに捧げる聖酒でもあるまいし
ある翻訳者は私もよく知っている日本語の成句を
ほぼ意味不明な表現に訳していた
翻訳者はごくごく簡単な問題を
ものすごく難解であるかのように見せるエキスパートだ
翻訳者の多くが何十万ドルと稼いでいるが
自分たちの利益のためだけだ
世界の翻訳者の幸せのために働いているのだ
この考え方は、絶対に逆転させなければならない
さて?

一番下の行まできました。
さあ、ここからです。

さて?
この考え方を逆転させると
この世界には幸せな翻訳者が絶対に必要だ
彼らは主に自分のために働いているが
何十万人もの人々の生活を豊かにしている
翻訳者の多くは、非常に難しい問題を
とても簡単にしてくれる
翻訳者は、ほぼ理解不能な言葉を
私のよく知る表現に変えてくれるエキスパートだ
ある翻訳者は、日本語の酒を
キリストの聖なるワインと訳した
私に言わせれば、これは誰にでも出来ることではない
翻訳者はまっとうな仕事に対する対価と
他の人々と同じようなまともな生活を求めている
翻訳者が当然得られるべきものを与えて何が悪いのか
彼らを助けよう
欲は捨てよう
翻訳者はきちんと仕事を仕上げる瞬間を
モチベーションに頑張っている
今こそ結集して、この国の優良な出版社をサポートしよう
出版社の中には信じられないような仕事を要求するところもある
言葉とは関係のない質問ばかりする
翻訳者は、報酬はわずかだと伝えられても
落胆を見せない
本が発売されると、退屈な翻訳者も面白い人になる
安直に人を褒めるつもりはないが
翻訳者というのは、訳書を面白いものにして
なんとかして読者を魅了する貴重な存在だ
翻訳者は無駄な存在だと考える人は、
私に言わせれば、言語のことが分からない単なるバカだ

ブラボー!!上から読んだときのネガティブ度が高ければ高いほど、下から読んだときの感動が大きいですね。