【IT用語】英語でそのまま言っても通じないIT系和製英語11選

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IT用語には、カタカナ言葉が多いですよね。コンピュータ関連の言葉はだいたいがアメリカ生まれなので、日本で使われているITカタカナ用語は英語由来のものがほとんどです。そのため、英語圏の人にそのまま言っても通じることが多く、英語がそれほど得意ではなくても、単語レベルで会話が成り立つこともあります。

ですが、中には日本でしか使われない和製英語も紛れているため、英語でのコミュニケーションでは注意が必要です。

今回は、IT業界でよく使われる用語の中で、そのまま英語にしても通じない和製英語を11個取り上げ、英語ではどのように表現したらよいのかを解説します。

システムダウン

システムが予期せず動作を停止したり異常終了することを「システムダウン」といいますが、英語では「system down」という名詞表現はありません。「system failure」や「system crash」と表現するのが一般的です。

システムダウンによりご不便をおかけして申し訳ございません。
We apologize for any inconvenience caused by the system failure.

システムダウンのため、いくつかのデータファイルが消失しました。
Some data files have been lost due to a system crash.

また、「down」という単語を使う場合は、「be動詞 + down」や「go down」の形で表現します。

昨日から在庫管理システムがダウンしています。
The inventory management system has been down since yesterday.

停電のため、コンピュータシステムがダウンしました。
Our computer system went down due to a power outage.

バージョンアップ

「バージョンアップ」も、英語でそのまま「version up」と言ってしまう人が多いですが、実は和製英語です。英語では「upgrade」または「version upgrade」といいます。

お使いのブラウザをバージョンアップしてください。
Please upgrade your browser.

6月に大規模なバージョンアップを行う予定です。
A major version upgrade is scheduled for June.

アンダーバー

下線の半角記号「_」のことを日本語では「アンダーバー」と呼ぶことが多いですが、英語では「underscore」といいます。また、「underscore symbol」というと、あの記号のことだとより明確になります。

ドメイン名にアンダーバーを使うことはできません。
You can’t use an underscore in the domain name.

iPadでアンダーバー記号を入力するにはどうすればよいですか?
How can I type an underscore symbol on iPad?

サービスイン

新しいシステムが正式に稼働を開始することを「サービスイン」といいますが、英語で「service in」といっても通じません。

英語でこれに対応する言葉は「go-live」です。名詞では間にハイフンが入ります。動詞で「go live」という表現も使えます。

サービスイン日はいつですか?
When is the go-live date?

このシステムは来月サービスインする予定です。
This system will go live next month.

新システムのサービスイン前に、ユーザビリティテストを実施する必要があります。
We have to perform usability testing before the new system goes live.

また、「release」や「launch」も同じ意味で使うことができます。

新アプリは今年中にサービスインする予定です。
The new app will be launched by the end of this year.

これらの施策により、サービスイン後の保守費用を大幅に抑えることができます。
These measures will reduce the post-release maintenance costs significantly.

カットオーバー

「カットオーバー」も、上記の「サービスイン」とほぼ同義で用いられますので、「go-live」「release」「launch」などを使って表現します。例文は、「サービスイン」の項目をご参照ください。

英語にも「cutover」という言葉はありますが、意味が少し異なります。日本語の「カットオーバー」は新システムの稼働を開始する時点を指すのに対し、英語の「cutover」は「旧システムから新システムへの移行期間」を指す言葉です。

cutover

引用元:https://slideplayer.com/slide/11918599/

上の図のように、日本語の「カットオーバー」は英語の「go-live」を指すことが多いのに対し、英語の「cutover」はその手前のフェーズを意味しますので、英語でのやり取りでは注意が必要です。

サブシステム

「サブシステム」の本来の定義は、「大きなシステムの一部を構成する要素で、それ自体もシステムとして機能するもの」、つまり「下位システム」です。

英語の「subsystem」もこれと同じ意味をもつ単語ですので、この意味で使う場合は、英語でもそのまま「subsystem」といって問題ありません。

ですが、日本語の「サブシステム」は、以下の例文のように、「あるシステムの予備や代替として用いる別のシステム」という意味で使われるのもよく見聞きします。

英語の「subsystem」にはこのような定義はありませんので、「secondary system」(副次的システム)、「backup system」(バックアップシステム)、「standby system」(待機システム)などの言葉を使って表現する必要があります。

メインシステムに障害が発生した場合は、すぐにサブシステムに切り替えて業務を続けることができます。
In the event of a primary system failure, we can immediately switch to the backup system and continue operations.

SE/システムエンジニア

英語にも「systems engineer」(systemに「s」が付きます)という言葉はありますが、IT分野に限らずシステム工学に携わる技術者を指す言葉で、日本語の「SE」とは少し趣きが異なります。

日本語の「システムエンジニア」という言葉自体、明確な定義があるわけではありません。主に情報システムの要件定義・設計・開発・テストに携わる職業を指しますが、実際の業務内容は、顧客へのヒアリング、下請けの人員調達、外部設計、テストケースや仕様書の作成、システムの開発・管理・運用など多岐にわたり、企業によっても内容が異なったりします。

英語には、それらの業務を担当する人を一言で表す職業名はありません。「SE」を表現するには、「IT systems engineer」(ITシステム関連の技術者)といった上で、具体的な業務内容を説明するのがよいでしょう。

SIer/システムインテグレーター

「SIer」は、「System Integration」の略語である「SI」に「~する人」を意味する「-er」をつけた造語で、日本で生まれた和製英語です。

システムインテグレーションとは、ユーザーの業務内容を分析し、要求事項や課題に基づいて情報システムの企画、設計、開発、構築、導入、保守、運用などを一括して行うサービスのことで、これらを請け負う業者のことを日本のIT業界では「SIer」と呼んでいます。

英語では、語尾に「er」ではなく「or」がつき、「system」に「s」がついた「systems integrator」という言葉が使われます。

ただし、英語の「systems integrator」は日本語の「システムインテグレーター」よりも意味が広く、ハードウェアやソフトウェアなどの情報技術を組み合わせてユーザーが求める情報システムを構築する事業者を指します。たとえば、ミサイルや軍事衛星などの軍事防衛システムの構築を国から請け負う民間企業なども「systems integrator」と呼ばれます。

そのため、日本でいう「SIer」を英語で表現するには、「IT systems integrator」とITシステムということを明確にするか、ざっくりと「IT service provider」(ITサービスを提供する業者)というと誤解がないでしょう。

デグレードテスト

プログラムの一部を変更・修正したときにその影響でほかに不具合が現れることを、日本語で「デグレード」や略して「デグレ」といいます。また、そのような現象が起きていないか確かめるために実施される試験のことを、「デグレードテスト」「ノンデグレードテスト」などといいます。

英語では、そのような現象のことは「regression」、試験のことは「regression testing」と呼ばれます。英語の「degrade」は品質や性能の劣化を意味する動詞で、上記のような文脈では使われません。

最近では日本語でも「リグレッション」「リグレッションテスト」というカタカナ語も見聞きするようになりました。

また、試験については英語でも「regression testing」と「non-regression testing」の両方の表現が見受けられますが、日本語の「デグレードテスト」「ノンデグレードテスト」と同様に、基本的には同じ意味を表すようです。(人や会社によって意味を区別している場合もありますが、区別の仕方もばらばらのようです。)

ちなみに、「デグレーション」なる日本語も目にしたことがありますが、英語で「degrade」の名詞形は「degradation」であり、「degration」という単語は存在しません。

ソフトウェアの修正を行うたびに、デグレードテストを実施しなければなりません。
Regression testing should be conducted after every software modification.

リンクフリー

日本語の「リンクフリー」という言葉は、「リンク先の許諾を得ずに自由にリンクしてもよい」という意味で使われますが、これも和製英語です。

そもそも、Webリンクを貼るのは自由というのが世界の共通認識であり、日本以外では、Webサイトの運営者が「このサイトはリンクフリーです」と表明するような習慣はありません。

あえて表明する場合は、以下のように「ご自由にリンクを貼ってください」や「リンクを貼るのに許可は不要です」と表現するのがよいでしょう。

当サイトはリンクフリーです。
Feel free to link our website.
No permission is required to link our website.

ホワイトハッカー

コンピュータやネットワークに関する高度な知識や技術をもつ「ハッカー」のうち、政府機関や企業などをサイバー攻撃から守る目的で活動する人のことを、日本語で「ホワイトハッカー」といいますが、英語では「white hat hacker」といいます。また、「ethical hacker」(倫理的ハッカー)と呼ばれることもあります。

それに対し、いわゆる「ハッカー」、つまり、悪意をもってコンピュータシステムへの侵入や攻撃を行うハッカーは、「black hat hacker」と呼ばれます。

なぜ「hat」という言葉がついているのかというと、「white hat」「black hat」という言葉自体に、それぞれ「善人」「悪人」という意味があるのです。これは、西部劇において、主人公は白い帽子を、悪役は黒い帽子をかぶっていたことからきています。

ホワイトハッカーは、悪意のあるハッカーと同じ技術を用いてコンピュータシステムへの侵入を試み、セキュリティ上の脆弱性を特定します。
White hat hackers use the same techniques as black hat hackers to attempt to penetrate a computer system and identify security vulnerabilities.