映画レビューを英語で読んでみよう!『カメラを止めるな!』編

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海外の映画レビューサイトに投稿された英語のレビューを読んで、生きた英語に触れよう!というシリーズ。

今回は、2017年公開の日本映画『カメラを止めるな!』のレビューを取り上げます。英語タイトルは『One Cut of the Dead』(直訳:死者のワンカット)。

映画レビューを英語学習に使うメリットなどは、こちらに記載しています。

今回も、Rotten TomatoesIMDbに投稿されたレビューの中から選んだものです。

高評価レビュー

One of the best comedy movies I have ever seen. Not only funny but highly smart as well. This is the best example of low budget movie done right. You don’t need millions to make a good movie. All you need is smart plot and decent actors. Like comedies and zombies? DO NOT MISS THIS ONE.

今まで観た中で最高のコメディー映画の一つ。面白いだけでなく、非常にスマートでもある。低予算映画が正しく撮られたもっとも良い例。良い映画を作るのに、何百万ドルも要らない。機知に富んだプロットと、ちゃんとした役者陣がいれば十分なのだ。コメディーとゾンビが好きなあなたは、絶対に見逃すな!

smart: 賢い、気の利いた、機知に富んだ、スマートな
plot: 筋、構想、プロット
decent: きちんとした、しかるべき、まともな
miss: 見逃す

★「million」は「100万」。「millions」と複数の「s」が付くと「何百万」という意味になります。ここでは「millions of dollars」のこと。

★「All you need is ~」は、「All」と「you」の間に関係代名詞の「that」が省略されています。直訳すると「あなたに必要なすべてのことは~」ですが、そこから「必要なのは~だけ、~さえあれば十分」という意味に。

★最後の文のように、単語や文全体を大文字にして、強調を表すことができます。


The film was made in just 8 days with a small budget of around $25,000 and a cast of unknown actors. After it’s success at the Udine Film Festival, it was re-released, and eventually grossed $30.5 million worldwide, earning over a thousand times its budget.
If that doesn’t impress you, the fact that the first 37 minutes of the film is done in ONE CUT should. Some viewers dislike the first 37 minutes and find it challenging to get through. I, however, enjoyed it and found the awkward moments and general cheesiness hilarious.
Now, I will deliberately avoid going into the plot for this particular film because I’m afraid anything I say might injure the experience for you. I went in completely blind into this. I watched no trailers and read no reviews apart from one which suggested that sticking with it for the first 30 minutes is worth it because of the incredible payoff. I’m glad I listened to it. Just remember that every awkwardness and cheesiness in the initial 37 minutes has a reason, and the payoff is indeed extraordinary.

本作は、わずか8日という撮影期間で、しかも約25,000ドルという低予算で、無名の役者陣を使って作られた。ウーディネ極東映画祭での高評価をうけて再公開され、最終的に世界中で3,050万ドルという、予算の千倍以上の総興行収入を挙げた。
それだけではすごいと思わない人でも、最初の37分間がワンカットで撮られたという事実には感心するだろう。最初の37分間に嫌悪感を覚え、そこを乗り切るのが大変だと感じる人もいるようだが、個人的にはそこも楽しめたし、ぎこちない瞬間や全体的な安っぽさも面白く感じた。
さて、この映画に関しては、あえて話の筋には踏み込まないでおこうと思う。というのも、何を言ってもこの映画体験を損なうことになりかねないからだ。私はまったく何も知らない状態で観に行った。予告編も見ず、レビューについても「すごい結末が待っているので、最初の30分は頑張って見続ける価値がある」というもの以外は読まなかった。その意見に従ってよかった。最初の37分のぎこちなさや安っぽさにはすべて理由があるということを忘れないで。結末は本当にすごいから。

budget: 予算
unknown: 無名の、知られていない
Udine Film Festival: ウーディネ極東映画祭(正式な英語名はFar East Film Festival)
eventually: 最終的には、ついに
gross: ~の総収益を挙げる
earn: 得る、稼ぐ
impress: 感心させる、感動させる
challenging: 困難な、挑戦的な、きつい
get through: ~を通って(目的地に)到達する、やり通す、切り抜ける
awkward: ぎこちない、不器用な、下手な
cheesiness: 安っぽさ、ちゃちさ
hilarious: ひどく面白い、笑える、陽気な、楽しい
deliberately: わざと、意図的に
particular: 特定の、他ならぬこの、特にこの
injure: 損なう、害する
blind: 何も見ないで、何も知らない状態で、先入観なしで
trailer: 予告編、トレーラー
apart from: ~を除いては、~はさておき
stick with: ~を続ける
payoff: 結末、クライマックス、報い
indeed: 実に、本当に
extraordinary: 並外れた、非凡な、素晴らしい、驚くべき

★「over a thousand times its budget」の「times」は「~倍」という意味の表現。「times」を使った倍数表現では、このように「times」のすぐ後に名詞をとることもできますし、「over a thousand times more than its budget」と比較級をとることもできます。

★「the fact that … done in ONE CUT should.」の「should」の後には「impress you」が省略されています。

★「injure」は、「けが」という意味でおなじみの「injury」の動詞形ですね。身体的に傷つけるという意味だけでなく、このように何かを損なうという意味でも使えます。

★「listen to」は、ただ「聞く」という意味だけでなく、「人が言うことに従う、耳を貸す、聞き入れる」という意味もあります。「I’m glad I listened to it.」は後者ですね。


The first twenty minutes are disconcerting and are almost an invitation to leave the movie theater, cursing the friend(s) who invited you to see this movie. Nevertheless, after the introduction, the movie is quite hilarious. If you like zombies and comedies, this movie is right for you!
As a postscript, according to IMDb, the budget is about 25,000 USD. Incredible!

最初の20分は、何だこれはという感じで、この映画を勧めた友人(たち)をのろいながら、映画館を出ようかという誘惑にかられる。ところが導入部を過ぎると、この映画は本当に面白くなる。ゾンビとコメディーが好きな人にぴったりの映画!
最後に一つ:IMDbによると、予算は約25,000ドルとのこと。すごすぎる!

disconcerting: 当惑させる、混乱させる、いらいらさせる
invitation to: ~することへの誘惑
curse: のろう、ののしる
invite (人) to ~: (人) に~するよう勧める
nevertheless: それにもかかわらず、とは言うものの
introduction: 導入部、前置き
hilarious: ひどく面白い、笑える、陽気な、楽しい
right for: ~に適している
postscript: 追伸、付け足し、後記
incredible: 信じられない、驚くべき、すごい

★「postscript」は、略すと「P.S.」。手紙やメールの最後でよく目にするあれですね。


The people who are giving this film bad reviews either didn’t understand what it was about or didn’t watch past 37 minutes. I enjoyed this film and appreciate the trouble they went through to make it. Amazing.

この映画に悪い評価を付けている人は、どういうことか理解できなかったか、37分以降を観なかったかのどちらか。私はとても楽しめたし、苦労しながらこの作品を作ってくれたことに感謝している。素晴らしい。

either A or B: AかBのどちらか
past: ~を過ぎて、~を越えて
appreciate: 感謝する、ありがたく思う
go through: 経験する、経る

★「either A or B」のAとBには、名詞だけでなく、このように動詞を入れることもできます。AとBは基本的に同じ品詞にします。


It’s hard to talk about this movie without spoiling it, so I won’t event try. The first forty minutes or so of the film is a one-take zombie movie where a deranged director attempts to add verisimilitude to his cheesy movie by causing a zombie apocalypse. It seems a little cheesy at first as it quickly becomes clear that what seems like the typical flaws of an independent movie are very much intentional.
After that, the film changes gear as we see that the events we have been watching are a film within a film. In fact, we find that the zombie movie is a tv film being made as a live broadcast for a new television station. The antagonist becomes the protagonist, a director who is hired for his speed and willingness to work for cheap rather than his artistic ability. His abilities are soon put to the test as everything that can go wrong during the shooting does, meaning that the director has to resort to drastic improvisation to save his project.
Not only is this movie funny but it is a touching look at the low-budget filmmaking process. The movie is really a film about the people behind the scenes of a film and how they work together to make a movie work. If there’s any message to take from “One Cut of the Dead”, it’s really how artistry can be found in even the slightest of films.

ネタバレせずにこの映画を語るのは難しいので、がんばるのはやめておく。最初の40分ほどはワンテイクのゾンビ映画で、狂気に取りつかれた監督が、低級な作品に迫真性をもたせようと、ゾンビによる終末を引き起こすというもの。はじめは少し安っぽく感じられるが、自主映画の典型的な欠点のように見える部分も、実は意図的なものであることがすぐに明らかになる。
その後、話のトーンが変わり、それまで観てきたものが劇中劇だったことが分かる。実はこのゾンビ映画は、新たに設立されたテレビ局の生放送のために作られたテレビ番組だったのだ。敵役だった監督が一転して主人公に。この監督は、芸術的才能というよりは、スピードと、安く仕上げるのをいとわないことで雇われている。撮影中、起こり得るあらゆるトラブルが起こり、監督の手腕が試されることになる。プロジェクトを守るために、即興で撮影するという思い切った手段に出ざるを得なくなるのだ。
この映画は、単に面白いだけでなく、低予算映画の製作プロセスへの感動的なまなざしでもある。映画の舞台裏にいる人々、そして彼らがいかに力を合わせて一本の映画を成功させるかに関する映画なのだ。『カメラを止めるな!』から何かメッセージを受け取るとしたら、それは映画のどんなささいな部分にも芸術性が宿っているということだ。

spoil: ネタバレをする
or so: ~ほど、~かそのくらい
deranged: 精神錯乱の、狂った、混乱した
verisimilitude: 本当らしさ、迫真性、真実味
cheesy: 安っぽい、低級な、ちゃちな
apocalypse: 世界の終末、この世の終わり、大惨事
flaw: 欠点、不備
independent movie: 自主映画
intentional: 意図的な、故意の
change gear: ギアを入れ替える→やり方を変える、調子を変える
live broadcast: 生放送
antagonist: 敵役、主役の対立役
protagonist: 主役、主人公
hire: 雇う
willingness to: 快く~すること、進んで~すること
for cheap (on the cheap): 安く、安上がりに
artistic: 芸術の、芸術的な
be put to the test: 試される、真価が問われる
resort to: (~という手段に)たよる、訴える
drastic: 思い切った、過激な
improvisation: 即興で作ること、即席にやること
touching: 感動的な、胸を打つ、いじらしい
artistry: 芸術的才能、芸術性

★ここでは動詞の「spoil」が使われていますが、名詞の「spoiler」もよく出てきます。「spoiler alert」(ネタバレ注意)など。

★「everything that can go wrong during the shooting does」の最後の「does」は、「goes wrong」の言い換えです。直訳すると、「撮影中に失敗する可能性のあるあらゆることが失敗する」。
同じような表現が、あの有名なマーフィの法則でも使われています。”If anything can go wrong, it will (go wrong).”(失敗する余地があるなら、失敗する。)

★「how they work together to make a movie work」の一つ目の「work」は「働く」というおなじみの意味ですが、二つ目の「work」は「うまくいく、功を奏する」という意味です。

中評価レビュー

This Japanese zom-com is one of the freshest and cleverest movies, in the saturated zombie sub-genre, in recent years – but it might not entertain as expected.
I enjoyed it despite the fairly sluggish build up but did not find it to be exceptionally funny.
I’m not entirely sure what didn’t work too well but I didn’t find myself laughing as much as the others in the audience. That being said, there was plenty of laughter so I might have been in the minority.
The humour resembles the slapstick elements one might see in Rat Race or Johnny English, just with a bit more blood and splatter, albeit fairly reserved.
If the majority of people don’t enjoy this film, I’d be fairly surprised but you probably need to go into it with as little knowledge and expectation as possible.

この日本のゾンビ・コメディーは、やり尽くされた感のあるゾンビものというサブジャンルにおいて、近年でもっとも新鮮で巧みな映画の一つではあるが、おもしろさは期待したほどではなかったかもしれない。
かなりだらだらした展開のわりには楽しめたが、特別おもしろいとも思わなかった。
何が良くなかったのかはっきりとは分からないが、他の観客ほどは笑えなかった。とはいえ、かなりの笑いが起きていたので、私は少数派かもしれない。
『ラットレース』や『ジョニー・イングリッシュ』に見られるようなスラップスティック的要素に似たユーモアに、少し血と残虐要素が加わった感じ。といってもかなり抑え気味ではあるが。
大多数の人がこの映画を気に入らなかったとしたら、私もそれはそれで驚いただろうが、できるだけ知識を入れず、できるだけ期待せずに観に行く必要があると思う。

zom-com: ゾンビ・コメディー
clever: 頭の良い、上手な、巧みな
saturated: 飽和した
fairly: かなり、いくぶん
sluggish: のろい、ゆるやかな
build up(buildup/build-upが一般的): (クライマックスに達するための)展開、(劇の内容を盛り上げる)筋
exceptionally: 特別に、非常に、並外れて
that being said: そうはいっても、とはいえ
resemble: ~に似ている
slapstick: ドタバタ喜劇、スラップスティック
Rat Race: 『ラットレース』(アメリカのコメディー映画)
Johnny English: 『ジョニー・イングリッシュ』(アメリカのコメディー映画)
splatter: スプラッター、血が飛び散るような残虐シーン
albeit: ~ではあるが、~にもかかわらず
reserved: 控えめな、抑えた、遠慮した
expectation: 期待

★「zom-com」は「zombie comedy」の略。同じように、ラブコメのことは「rom-com」(romantic comedy)と言います。あのラブコメゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、「rom-zom-com」と呼ばれているのだとか。

★「humour」はイギリス英語の綴り。アメリカ英語は「humor」。

低評価レビュー

Don’t waste your time on this one. As a lover of zombie movies this was a major let down. What initially caught my attention was the meta plot. I liked the idea. However after the first few minutes I could tell this movie falls below an acceptable level of quality. The acting, directing and plot are all sorely lacking. I turned this movie off after roughly 20 minutes and don’t plan on finishing it. It’s EXTREMELY rare that I don’t finish a movie.
Do not trust the reviews on this. Also, if you’ll notice you’ll see that all the reviews stating this movie was not good are getting downrated by scores of people. My guess is that it’s the actual crew and friends of the crew doing that. I wish that could be prevented.
I don’t like giving very bad reviews to movies because people spend their time, money and emotion making movies but this movie is deeply inferior in many ways and not fit for watching if you enjoy watching good movies.

この映画で時間を無駄にしないでほしい。ゾンビ映画ファンとして、かなりの期待外れだった。はじめに私の注意を引いたのは、この作品のメタ的なプロットだ。そのアイデア自体は気に入った。しかし、はじめの数分で、この映画は許容できる質のレベルに達していないことが分かった。演技も演出もプロットも、ひどく欠落している。20分ほどで観るのをやめてしまった。続きを観るつもりもない。私が映画を最後まで観ないのは、極めてまれなことだ。
この映画に関するレビューは信じない方がいい。また、この映画が良くないと書いているレビューは、他の人がつけるスコアによってレビューのレーティングが下げられていることが分かる。私の推測では、実際の撮影班やその友人らがやっているのだと思う。そういった行為を阻止できればいいのだが。
私は映画を酷評するのは好きじゃない。映画は、人々が時間とお金をかけて、心を込めて作ったものだから。しかしこの映画はいろんな意味で非常に劣っており、良い映画が好きな人は観るべきではない。

let down(スペースなしのletdownが一般的): 期待外れ、失望
catch one’s attention: ~の注意を引く
meta: メタ的な、自己言及的な
fall below: ~を下回る、~に達していない
acceptable: 許容できる
directing: 演出
sorely: ひどく、はなはだしく
lacking: 欠けている、欠落している
roughly: おおよそ、だいたい
turn off: 切る、止める、消す
extremely: 極度に、極めて
downrate: 価値や重要度を落とす
crew: 撮影班
inferior: 劣った、劣等の、粗悪な
fit for: ~にふさわしい、適している

★「映画を最後まで観終える」ということを表現するのに、日本語の感覚では「finish watching a movie」と言いたくなりますが、このように「finish a movie」だけで通じます。
「finish a book」(本を読み終える)、「finish one’s coffee」(コーヒーを飲み終える)、「finish school」(卒業する)など。


No no no!! you all have seen much much better than this!!! this is insane!!! i don’t undertand the good reviews!! this movie is not even worth of being called a movie!! if you are a movie lover you will know what i mean!!

いやいやいや!!みんなもっといい映画観たことあるでしょ!!!ばかげてる!!!良いレビューが理解できない!!この映画は、映画と呼ぶ価値もない!!映画好きの人なら、私の言いたいことを分かってくれるはず!!

insane: 正気でない、狂気の、ばかげた

★「is not even worth of being called」は学校文法的には間違いで、「be worth being called」または「be worthy of being called」の形にするのが正しいです。ただ、「be worth of being…」の形もGoogle検索ではそれなりにヒットしたので、実際にはよく使われるのかもしれません。


Amateurish, like watching a high school production. The humour is forced & the shaky camera man makes my head goes dizzy…
Pretty bad….UUGGGHHH!!!!

素人くさくて、高校生の作品を観ているよう。強要される笑いと、ぐらぐら揺れるカメラマンで、頭がふらふらに…
最悪……ぐえーーーっ!!!!

amateurish: アマチュアっぽい、素人くさい、下手な
force: 強要する、強いる、強制する
shaky: 震える、ぐらぐらする
dizzy: 目まいがする、ふらふらする

★「amateurish」は、「amateur」(アマチュア)に「-ish」(~っぽい、~じみた)という接尾語が付いた言葉ですね。形容詞に「-ish」を付けると、好ましくない状態を表す言葉になることが多いです。「childish」(子どもじみた)、「womanish」(女々しい)など。

★「humour」はイギリス英語の綴りです。アメリカ英語は「humor」。

★「UUGGGHHH」は、「げっ」「おえっ」「うぐっ」に相当する「ugh」という言葉をさらに強調したもの。