独学でもできる!無理なく続けられる通訳練習法

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今回は、通訳者を目指してがんばっている方におすすめの、無理なく続けられる練習方法をご紹介します。

私自身、某大手通訳学校に3年間通って通訳の訓練を受けた経験があります。最終的には同時通訳科を修了し、通訳者としてお仕事をいただけるようになりましたが、そこまでは本当に長い道のりでした。何度も「やっぱり私向いてないのかな」と挫折しそうになりながら、なんとか少しずつスキルを上げて、今に至ります。

ここでご紹介するのは、その過程で試行錯誤しながら行き着いた練習方法で、通訳のお仕事をするようになった今でも続けているものです。

思うように上達せずにもがいていたあの頃の自分に伝えたい内容ですので、通訳を目指して勉強中の方にぜひ読んでいただけるとうれしいです。

おすすめの通訳練習法 結論

結論から先に言いますと、ずばり「日本語の音声を聞いて、日本語で分かりやすく言い換える」というものです。

ここで大事なのは、聞いたことを一言一句そのまま口に出すのではなく、聞いた内容を、聞き手により分かりやすい日本語で、過不足なく伝えるということです。

もしかすると、「ああ、それならやったことあるよ」という方もいるかもしれません。ですが、通訳の練習を行う前の準備としてたまにちょこっとやっているという人が多いのではないでしょうか。

私の持論としては、「日本語を聞いて日本語で出す練習」こそ、通訳訓練のメインでやるべきことだと考えています。

母語の音声を使って通訳の練習をするメリット

通訳技術の向上に専念できる

聞いた内容を通訳できないのには、様々な要因が考えられますが、大きく分けると「そもそも内容が理解できていない」か「聞いているときは理解できているが、何らかの理由で訳せない」かのどちらかです。

そして、通訳学校や独学で通訳の勉強をしていて伸び悩んでいる人の大半は、前者に当てはまります。つまり、そもそものリスニング力が足りていないのです。

通訳の練習をしていて、「聞いているときは分かっている気がするのに、訳すまでに忘れてしまう」「自分のメモが汚くて読み取れないので訳せない」などと思ったことはありませんか?

そんなとき、「リテンション(短期記憶)を鍛えなければ」とか「メモ取りがうまくできるようにならなければ」と考えがちなのですが、実はそもそも英語(またはその他の外国語)を聞いている時点で、きちんと理解できていない場合が多いです。

外国語を聞いて理解できない理由については、語彙力不足や、発話のスピードについていけていないなど、人によって様々でしょう。それに関しては、通訳とは関係なく、自分の弱みを克服して、徹底的にリスニング力アップに励むべきです。

通訳は、内容が理解できたからといって、簡単にできるものではありません。音を聞きながら効率よくメモを取り、内容を頭の中で保持し、メモを手掛かりに内容を思い出し、できるだけ適切な言葉を選びながら、できるだけ過不足なくターゲット言語で伝える。通訳の訓練というのは、本来この部分を鍛えるためのものです。内容が理解できることは前提として、その先で問われるのが通訳の技術なのです。

日本語で聞いて日本語で出す練習は、まさにその「通訳の技術」の部分に特化して鍛えることのできるとても良い方法です。

練習に取りかかるハードルが下がる

自宅で通訳の練習を始めるのって、なかなかハードルが高くないでしょうか。真面目で勉強熱心な人は別ですが、私自身もともと怠け者なので、通訳学校に通っていた時期も、「練習しないとなー」と思いながら、つい先延ばしにしていました。やり始めてしまえば、あとは気持ちが乗ってくるんですけどね。

通訳を目指しているということは、その外国語がそれなりに得意ということではありますが、それでも完全なバイリンガルでない限りは、母語を聞くよりもどうしてもハードルは上がります。

「日本語を聞いて日本語で出す」のであれば、「外国語を聞いて日本語に通訳する」よりも、取り掛かりやすいはずです。

また、自己学習では、外国語の音声教材を選ぶのにも少し手間がかかります。通訳の練習に使うには、ある程度自分の今のレベルに見合ったものを選ぶ必要があるからです。

ですが、母語である日本語なら、どんなものでも基本的に内容は理解できますよね。また、母語の方が自分の興味のある分野の音声素材を見つけやすいというのもあります。

通訳するときの脳の動きを体得できる

通訳といえば、聞いたことを「訳す」ことに注目しがちですが、実は「聞いた内容をターゲット言語で再現する」というイメージの方が近いです。

逐次通訳ではある程度まとまった長さの話を聞いてから訳すわけですが、その記憶を訳すまで保持しておくためには、内容を文字面ではなく、絵やイメージとして頭に思い描く必要があります。そして、訳す際には、その絵やイメージをターゲット言語で表現するのです。

そういう意味では、はじめに聞く音声の言語が日本語であれ外国語であれ、内容を頭に思い描いてターゲット言語で伝えるという意味では、プロセスは同じです。

「日本語を聞いて日本語で出す」という練習は、そのプロセスでの脳の動きを再現できることになり、実際の通訳のイメージトレーニングになります。

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こんな音声を選ぶと効果的

基本的には、どんな音声を選んでも良い練習にはなりますが、実際に仕事で通訳をしている方は、その分野の題材を選ぶとよいでしょう。

また、実際の通訳を想定して練習するには、原稿を読んでいるスピーチなどよりも、少し要領を得ないような、思い付くままに話しているものを選ぶのがおすすめです。

その人が言いたいことを最大限汲み取った上で、それをできるだけ過不足なく、できるだけ聞き手に分かりやすい言葉と順序で、言い直してください。

その際、自分に向かってではなく、必ず聞き手に向かって伝えることをイメージしながらアウトプットしてみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?「通訳を目指して勉強しているけれど、なかなか上達しない」と思っている方は、ぜひ「日本語で聞いて日本語で出す練習」と「外国語のリスニング力強化」を二本立てで、それぞれ徹底的にやってみてくださいね。