映画レビューを英語で読んでみよう!『この世界の片隅に』編

eyecatcher_In This Corner of The World

海外の映画レビューサイトに投稿された一般の人によるレビューを題材に、生きた英語に触れるシリーズ。

今回は、日本では2016年に、その後2017~2018年にかけて世界各国で公開された、日本の長編アニメーション映画『この世界の片隅に』のレビューを取り上げます。英語タイトルは『In This Corner Of The World』です。

引用元:IMDbAmazon.com

プロの批評家ではなく、一般の人が投稿したレビューの中から選んだものばかりですので、気軽に使える表現が盛り沢山です。

ネタバレを含むレビューもありますので、ぜひ映画鑑賞後に読んでいただけるとうれしいです。

高評価レビュー

One of the greatest films ever. Normally I can’t watch a movie twice and I’m not usually into anime but this movie is the exception!

今まで観た中で最高の映画の一つ。普段は同じ映画を二回観たりしないし、アニメに夢中になるタイプでもないけれど、この映画は例外!

into: ~に夢中になって、のめり込んで、関心を持って
exception: 例外

★「be into」は、日常会話でよく出てくる表現です。「I’m into yoga recently.」(最近ヨガにはまっている)、「I’m totally into him.」(彼にすっかり夢中だ)など。


I think they should show this in every school and ask every president to sit through it. So they understand there is no winning in a war.

この映画は、全学校で上映し、全大統領に最後まで観てもらうべきだと思う。戦争に勝利などないということを理解してもらうために。

sit through: (ずっと席について)最後まで観る

★「I think they should show…」の「they」は、いわゆる総称人称と呼ばれるもので、不特定の一般の人々を指しています。

★二文目の最初の「So」は、「だから」という意味ではなく、「So (that)…」(~であるように、~するように)で、前の文にかかっています。この用法の「so」は、「… to sit through it, so they understand…」のように文を切らずに使うことが多いですが、カジュアルな文ではこのように文を切る形も見かけます。


This is a beautiful film by any standard. It tells a serious, moving story about ordinary Japanese people during World War 2 and the impact of the war on their lives. For this reason alone it is worthy of anyone’s attention. It is also stunning to look at – beautifully animated in a simple, stylised fashion.. I know Hiroshima and Kure, I have visited and stayed in Kure four times – the views in the film of Kure and the distant islands in the Inland Sea took my breath away. And the scenes in Hiroshima showing the Aioi Bridge, the undamaged Industrial Promotion Hall and Hiroshima Castle added considerable authenticity.

どんな基準に照らしても素晴らしい映画。第二次世界大戦中の一般の日本人の様子と、戦争が彼らの人生に与えた影響に関するシリアスかつ感動的な物語。このことだけでも注目に値する。映像も、シンプルに様式化された形でみごとにアニメ化されており、見ていてぼうぜんとするほど美しい。私は広島も呉もなじみがあり、呉には4回訪れて滞在したことがあるが、映画の中で描かれる呉や瀬戸内海に浮かぶ遠くの島々の景色には息をのんだ。さらに、広島のシーンで描かれる相生橋や被爆前の産業奨励館、広島城の絵が、映画のリアルさを格段に増している。

standard: 基準、尺度
moving: 感動的な
be worthy of: ~に値する
stunning: 驚くほど美しい、ぼうぜんとさせる、素晴らしい
animate: アニメ化する
stylised (アメリカ英語はstylized): 定型化された、様式化された、型にはまった
distant: 遠くの
the Inland Sea: 瀬戸内海
take one’s breath away: はっとさせる、息をのませる
undamaged: 被害を受けていない、無傷の
(Hiroshima Prefectural) Industrial Promotion Hall: 広島県産業奨励館(現在の原爆ドーム)
considerable: かなりの、相当な
authenticity: 信ぴょう性、信頼性、真正性

★「It is also stunning to look at」の「It」は、形式主語ではなく「この映画」を表す代名詞。「この映画は見た目もstunningだ」という内容です。「beautifully」以下は「look at」の目的語ではないので注意。


A heartbreaker and insta-classic. “In This Corner of the World” is a historical fiction that follows Suzu, as she enters adulthood during WWII in wartime Japan. Much of the story takes place in Kure, about 10 miles outside of Hiroshima, and the last quarter covers the Bombing of Kure during July 1945, the dropping of the atomic bomb on Hiroshima in August 1945, and the aftermath.
This story is similar to “Grave of the Fireflies” in that they are both films that spotlight the horrors of war but have far deeper meanings. The message of Fireflies was about the need for parental figures and support while growing up. Meanwhile Corner is as much a story about the importance of family, daily life during the war, and most importantly overcoming adversity even when things seem at their bleakest.
“In This Corner of the World” is beautifully animated using an oil-based, colored pencil, and sometimes watercolor aesthetic. The protagonist is also an artist and so the film will deliberately change styles to reflect the way she sees the world. There is one scene, with let’s just say a delayed reaction, where the change is so abstract and dramatic that it leaves a lasting impact on the viewer; so much so that I started tearing up just thinking about it. The character design is deceptive. Our heroine is 18 years old when the story kicks in but you’d never know it unless they told you.

観る人の胸をえぐる、すでに古典ともいえる傑作。『この世界の片隅に』は、第二次世界大戦中の日本で大人になったすずという女性を追う歴史フィクション。物語のほとんどが、広島から10マイルほど離れた呉を舞台としており、最後の4分の1では、1945年7月の呉軍港空襲、1945年8月の広島への原爆投下、そしてその後の様子を描いている。
戦争の恐ろしさを扱いつつそれ以上に深い意味が込められた映画という点で、本作は『火垂るの墓』と類似している。『火垂るの墓』には、成長期に親の存在やサポートがいかに必要かというメッセージが込められていた。一方『この世界の片隅に』は、家族の大切さ、戦時中の日常生活、そして何より、絶望的と思えるような状況でも逆境を乗り越えることに関するストーリーとなっている。
『この世界の片隅に』のアニメーションは、油性の色鉛筆と、ところどころ水彩絵の具を使って美しく描かれている。主人公自身も絵を描く人なので、彼女の世界の見方に合わせて絵のスタイルを意図的に変えている。とあるシーン――反応が遅れたシーンとだけ言っておこう――では、その変化が非常に抽象的かつダイナミックで、観客にとても長くインパクトを残す。思い出すだけで目が潤んできたくらいだ。キャラクターのデザインは、実際とは異なる印象を与えている。主人公は物語の開始時点では18歳という設定だが、そう言われなければ分からない。

heartbreaker: 胸が張り裂けるような思いをさせるもの
insta-classic (instant classic): 発表されてすぐに古典になるような傑作
wartime: 戦時の
take place: 起こる
quarter: 4分の1
Bombing of Kure: 呉軍港空襲
atomic bomb: 原子爆弾
aftermath: (災害・戦争などの)余波、結果、直後の時期
Grave of the Fireflies: 『火垂るの墓』
in that: ~という点において、~であるから
spotlight: スポットライトを当てる、取り上げる
parental: 親の、親のような
figure: 人物
meanwhile: その一方で
overcome: 乗り越える、克服する
adversity: 逆境、不運
bleak: 希望のない、暗い、厳しい
oil-based: 油性の
watercolor: 水彩絵の具、水彩画
aesthetic: 美学、美意識
protagonist: 主人公
deliberately: 意図的に、故意に
reflect: 反映する
abstract: 抽象的な、空想的な
lasting: 長く続く、永続する
so much so that: 非常にそうなので
tear up: 目に涙をためる
deceptive: 人をだますような、あてにならない
kick in: 始まる

★「insta-classic」の「insta-」は、「instant」(すぐの、即刻の)の短縮形。「classic」(古典)というのは本来、古い時代に作られて現在でも高い価値を認められている作品のことをいいますが、それに「instant」がつくことで、「発表されて間もないのにもう古典と呼べるような」という逆説的なニュアンスを含む表現です。
ちなみに、このように矛盾する単語がくっついてできたイディオムのことを「oxymoron」(撞着語法)といいます。「open secret」(公然の秘密)、「living death」(生き地獄)、「only choice」(唯一の選択肢)などがこれにあたります。


First off, this is not an antiwar movie. The viewer is allowed to arrive at their own conclusions and it is not preachy or dogmatic. Rather it is a glimpse into the lives of ordinary people in that period of time and notwithstanding creative artistic license via the anime format it achieves those themes successfully. Reading other professional reviewers’ comments on this film one criticism is that the movies flow and pace suffers early on. But I don’t believe that is accurate or justified. If you were to adopt the japanese cultural perspective and this movie’s target audience is the same, you would understand that the everyday scenarios while not particularly exciting is laying the framework of what ordinary people’s lives were like. Japanese people understand that and it may be hard to explain to those who are used to seeing a movie created in the normal manner. There is value in seeing people deal with the day to day issues in circumstances beyond their control and the desire to survive no matter the obstacles. If anything, the movie’s understated style allows more of central focus on individual characters and emotions and interpersonal relations. I was not expecting much prior to seeing this anime but it has become a soul satisfying treat.

まず、本作は反戦映画ではない。どのような結論に達するかはそれぞれの観客にゆだねられており、説教くささや押しつけがましさはない。むしろ、その時代の庶民の暮らしを垣間見るものであり、アニメという形式による創造的・芸術的な自由さにもかかわらず、そのようなテーマを見事に伝えている。本作に関する他の評論家のコメントを読んでいると、映画の序盤の流れやペースに難ありという批判が見られるが、これは正確でも正当でもないと私は思う。日本人の文化的観点から観れば――そしてこの映画が対象とする観客も日本人だが――特におもしろくもないような日常の場面が、庶民の暮らしがどのようなものだったかを示す枠組みを築いているということが分かるだろう。日本の人々はその点を理解しているが、普通に作られた映画を観慣れている人たちに説明するのは難しいかもしれない。人々が自分ではどうにもならない状況の中で日々の問題に対処している様子や、どんな障害があってもなんとか生きていこうとする様子を見ることに価値があるのだ。むしろ、この映画の控えめなスタイルによって、個々のキャラクターや感情、人間関係に、より焦点が向くようになっている。鑑賞前はそこまで期待していなかったが、心が満たされるような贅沢な体験となった。

first off: まず、最初に
antiwar: 反戦の
be allowed to: ~することが許されている、認められている
preachy: 説教じみた
dogmatic: 独断的な、押しつけがましい
glimpse into: ~を垣間見ること、ちらりと覗くこと
notwithstanding: にもかかわらず、それでも
artistic license: 芸術的自由、創作上の特権
criticism: 批判、批評
suffer: 劣っている、~の難点がある
accurate: 正確な
justified: 理にかなった、正当な、もっともな
adopt: 採用する、取り入れる
perspective: 観点、視点
lay: 敷く、築く
framework: 枠組み、骨組み
day to day (day-to-dayとハイフンを入れるのが一般的): 日々の、日常の
circumstance: 状況、環境
beyond one’s control: ~の力の及ばない、手に負えない、制御不能の
obstacle: 障害、妨害
if anything: どちらかといえば、むしろ、それどころか
understated: 控えめな、微妙な、地味な
interpersonal: 個人間の、対人関係の
soul: 魂、心
treat: 楽しみ、喜び、ごちそう

★「creative/artistic license」の「license」は「自由、破格、型破り」という意味で、特に詩・音楽・美術などにおいて、芸術的な目的のために、伝統的な規則や形式にしばられずに自由に表現することを意味します。

★「AはBではないと思う」と言いたいときは、「I don’t believe that is accurate or justified」のように、英語では前の「think」「believe」などの方を否定形にして、「AはBだとは思わない」と表現します。

★「no matter」の後には通常what、where、howなどの疑問詞がきますが、ネイティブの書くカジュアルな文では、最後から3文目の「no matter the obstacles」のように、直後に名詞がくる形もたまに見かけます。学校文法的には、「no matter what the obstacles (are)」とするのが正しいです。

中評価レビュー

This is by no means the first animated film from Japan about life in that country during the Second World War. Isao Takahata’s Grave of the Fireflies came out in 1988, and while there are similarities, there are also many differences.
The lead character is called Suzu and we follow her life in and around Kure and Hiroshima before, during and after Japan’s involvement in the Second World War. While there is no mention of the attack on Pearl Harbour, America’s attacks on mainland Japan are shown in graphic detail. The hardship and suffering of the civilian population is the main focus of the film and punches are definitely not pulled.
All in all a great animated film, personally I’m going to try to watch more films directed by Sunao Katabuchi.

第二次世界大戦中の日本の人々の暮らしを描いた日本のアニメ映画は、これが初めてではない。1988年に高畑勲の『火垂るの墓』が公開されている。この二作は似ている部分もあるが、異なる点もたくさんある。
主人公はすずといい、日本が第二次世界大戦に参戦する前から後にかけての呉・広島とその周辺における彼女の生活を追う物語となっている。真珠湾攻撃に関する言及はないが、アメリカによる日本本土への攻撃は生々しく子細に描かれている。一般市民の困難や苦しみが物語の中心であり、その描き方はまったく容赦がない。
全体としては優れたアニメ映画であり、個人的に片渕須直監督の作品をもっと観てみようと思う。

by no means: 決して~ではない
come out: 発表される、世に出る
similarity: 類似点
lead character: 主人公
involvement: 関与、参加
mention: 言及
mainland: 本土
in graphic detail: ありありと詳細に、細部まで生々しく
civilian population: 一般市民
pull punches: 手加減する、手心を加える
all in all: 全体としては、概して

★「pull one’s punches」の文字通りの意味は、ボクシング選手などが相手に勝たせるために効き目のないパンチを加えること。そこから、口語で「手加減する、手心を加える」という意味で使われます。


I haven’t watched much anime….or any movies in foreign languages, for that matter. Looking to change that, I found this one on Netflix and promptly decided to check it out. The concept was pretty good; Hiroshima is a subject I haven’t seen much in fiction, and I think it was represented well here. However, I found a few plot points (such as Harumi’s death) predictable. Also, some of the secondary characters were hard to tell apart. I’m not sure if it was because of their designs, the language barrier, or something else, but it was the main problem I had with the film. The soundtrack was definitely a strong point. If the music in the background was available for streaming, I’d download it for sure. Overall, this movie wasn’t perfect. But I’d definitely recommend it for a teen’s first anime.

私は今まであまりアニメを観てこなかったし、ついでに言えば、外国語の映画も観たことがなかった。たまには気分を変えようと、本作をNetflixで見つけてすぐに観てみることにした。コンセプト自体はなかなか良かった。広島というテーマがフィクションで扱われているのはあまり観たことがなかったし、うまく描かれていたと思う。ただ、いくつかのプロットポイント(晴美の死など)は予測できた。また、脇役のキャラクターの何人かはなかなか見分けがつかなかった。それがデザインの問題なのか、言葉の壁のせいなのか、あるいは他の原因によるものなのかはわからないが、この映画の一番の問題はそこだった。サントラは確実にプラスの要素だった。あのBGMがストリーミング配信されれば、間違いなくダウンロードする。全体的に、完璧な作品とは言えないが、10代の若者が最初に観るアニメとしては、ぜひお薦めしたい。

for that matter: ついでに言えば、さらに言えば
look to: ~しようとする、~したいと思う
subject: 主題、テーマ
represent: 表す、描く
plot point: プロットポイント(ストーリーの転換点)
predictable: 予測できる
secondary character: 脇役
tell apart: 見分ける、識別する
definitely: 確かに、間違いなく
strong point: 強み、長所
for sure: 確かに、確実に


Decent film. A softer alternative to Grave of the Fireflies. The tone was a little odd, and a lot felt like a series of vignettes instead of one coherent film.

まともな映画。『火垂るの墓』のソフト版。雰囲気が少し変わっているのと、一本の首尾一貫した映画というよりは、短い場面の連続という印象を受ける部分が多かった。

decent: まともな、きちんとした、まずまずの
alternative: 取って代わるもの、選択肢
tone: 雰囲気、調子、基調
odd: 変わった、奇妙な
vignette: 短い場面
coherent: 首尾一貫した、筋の通った

★「instead of」は「~の代わりに」という意味がまず浮かびがちですが、「~ではなく」と捉えた方が自然な場合も多いです。


It’s too bad the film version leaves out a lot of the character development which happens in the comic leaving the characters one dimensional. It’s a beautifully animated film though, and worth watching if you’ve read the comic.

原作漫画では見られるキャラクター造形の多くが映画版では省かれていて、登場人物が一面的になってしまっているのが非常に残念。ただ、美しくアニメ化された作品であり、漫画を読んだことのある人は観て損はない。

leave out: 省く、除外する
character development: キャラクター造形
one dimensional: 一面的な、深みのない、薄っぺらい

★「leaving the characters one dimensional」は、いわゆる現在分詞の分詞構文で、その前の主節部分の結果を表しています。学校文法的には、「comic」の後にコンマが必要です。

低評価レビュー

I usually love anime from Japan, no matter what particular genre it tackles – comedy, drama, horror, science fiction, I enjoy it. However, with this particular anime film, I was severely disappointed with it. I’m not saying that it’s a total washout. When it comes to depicting typical Japanese home life during the 1930s and 1940s, the movie is often interesting and insightful. However, when it comes to the main reasons a movie succeeds or fails – mainly with story and characters – the movie simply does not work very well. Even though the movie is over two hours long, it more often than not feels EXTREMELY rushed. Scenes go by so quickly, it’s hard to often get a handle on what’s going on. That includes the characters – frequently it difficult to know who is who and who is doing what. As a result, it’s really hard to care one way or another about what is happening to the characters. As I said, the movie is not without interest, but if you want to see an anime movie about regular Japanese people during World War II, you’d be better off watching “Grave of the Fireflies” or “Barefoot Gen” instead.

私は普段は日本のアニメが大好きで、コメディー、ドラマ、ホラー、SFなど、扱っているジャンルを問わず楽しめるほうだ。しかしこのアニメ映画に限っては、非常にがっかりした。まったくの駄作と言うつもりはない。1930年代から1940年代にかけての代表的な家庭生活を描いている点について言えば、興味深く洞察力に富んでいる部分も多い。しかし、映画の成否を決める要因、つまりストーリーとキャラクターという要素については、本作はあまりうまくいっていないようだ。上映時間は2時間超えという長さでありながら、非常にあわただしく感じる部分が多い。場面が目まぐるしく変わっていき、何が起きているのか理解できないことが頻繁にあった。キャラクターについても同じで、誰が誰で、誰が何をやっているのか分かりにくいことが多い。その結果、登場人物に何が起きていようがどうでもよくなってしまう。先ほども書いた通り、興味深さがないわけではないが、第二次世界大戦中の日本の庶民に関するアニメ映画を観たいのであれば、本作よりも『火垂るの墓』や『はだしのゲン』を観た方がよい。

particular: 特定の、特にこの
genre: ジャンル
tackle: 取り組む、扱う
severely: 激しく、ひどく
disappoint: がっかりさせる、失望させる
washout: 大失敗、台無し
when it comes to: ~に関して言えば
depict: 描く、描写する
typical: 典型的な、代表的な
insightful: 洞察力のある、見識のある
more often than not: しばしば、頻繁に
rushed: 急いで行われた、あわただしい
go by: 通り過ぎる
get a handle on: ~を把握する、理解する
one way or another: いずれにしても、どちらでも
be better off ~ing: ~する方がよい、賢明である
Barefoot Gen: 『はだしのゲン』

★「frequently it difficult to know…」は、「it」と「difficult」の間に「is」が抜けています。


The thing to remember about this film is that the Japanese treasure their victim status as the only people to have been bombed with nuclear weapons. This film is aimed at a Japanese audience, and is not interested in the fact that, absent the atom bombing, America would have had to invade the home islands, killing far more people than perished because of the atom bombings. It does not want to go into the behavior of the Japanese military in China, or the reasons that the Allies would insist on complete surrender.
As a film, it’s good. Quiet and slow, but it tells the story well. But it is still propaganda. Not as blatant and evil as TRIUMPH OF THE WILL (which depicted the Nazi regime as glorious) but propaganda nonetheless.
The asian countries that Japan invaded in WWII still loath the Japanese, and for good reason. The attitude of ‘we were good people and this awful war just happened to us’ embodied in this film is a big reason why.

この映画について忘れてはならないのは、日本人は唯一の被爆国民という被害者の立場を堅持しているということ。本作は日本人の観客を対象としたものであり、もし原爆投下がなければアメリカは本土に侵攻せざるをえず、原爆によって亡くなった人数よりもはるかに多くの人々が命を落としたであろうという事実には無関心である。また、日本軍の中国における行動や、連合国側が無条件降伏を勧告した理由には踏み込もうとしていない。
映画としては、良い。静かにゆっくりとだが、物語をうまく伝えている。しかし、それでもやはりプロパガンダである。『意志の勝利』(ナチ政権を華々しく描いた映画)ほどあからさまで悪質ではないにしても、プロパガンダであることに変わりはない。
日本が第二次世界大戦で侵攻したアジア諸国は、今でも日本のことを嫌悪しているが、それも無理からぬことだ。この映画で表現される「我々善良な市民に、この恐ろしい戦争が降りかかってきた」という姿勢が、その大きな理由である。

treasure: ~を大切にする、重んじる
victim: 被害者、犠牲者
status: 地位、立場
bomb: 爆弾を落とす、爆撃する
nuclear weapons: 核兵器
be aimed at: ~向けである、~を対象としている
absent: ~がなければ、~なしに
atomic bombing: 原爆投下
invade: 侵攻する、攻め入る
perish: 死ぬ
behavior: 行動
the Allies: 連合国(軍)
insist on: ~を主張する、要求する
complete surrender: 無条件降伏
propaganda: プロパガンダ、主義や思想の宣伝活動
blatant: あからさまな、見え透いた
evil: 悪い、悪質な、悪意のある
TRIUMPH OF THE WILL: 『意志の勝利』(1935年公開のドイツ映画)
depict: 描写する、描く
Nazi regime: ナチ政権
glorious: 輝かしい、華々しい、栄誉に満ちた
nonetheless: それにもかかわらず、それでもなお、とはいえ
WWII (= World War II): 第二次世界大戦
loath(e): ~をひどく嫌う
awful: ひどい、恐ろしい
embody: ~を具体化する、具体的に表現する

★「absent」は「欠席している、不在の」という意味の形容詞で使われることが多いですが、ここでの「absent」は前置詞で、「without」と同じような意味を表しています。

★「America would have had to…」は、いわゆる仮定法過去完了で、「~しなければならなかっただろう(実際はそうはならなかったが)」というニュアンス。

★ここでは「loath」という単語が動詞として使われていますが、通常「loath」は形容詞で「be loath to…」という形で使われ、動詞の場合は「loathe」と最後に「e」が付きます。

★「for good reason」の「good」は、「良い」ではなく「正当な、もっともな」という意味。「正当な理由で」→「~も当然だ、~も無理はない」という意味でよく使われる表現です。


Another typical Japanese anime movie that subjects the viewer into every tiny, boring aspects of the country’s everyday life and culture, as is the case with virtually every other animated movie that leaves it’s borders. However this is heavily overshadowed by the huge dose of stomach turning sentimentality of the stereo-typical separated lovers story. Waste a couple of hours watching paint dry instead, it’s about as interesting and original as this one!

例によって、日本の日常生活や文化の些末でつまらない部分をいちいち観客に見せつける、典型的な日本のアニメ映画。日本から海外へ出るほぼすべてのアニメ映画がそうだ。しかし本作は、お決まりのカップルが離れ離れになる物語という胸糞悪いセンチメンタル要素が大量に盛り込まれていて、なおさらタチが悪い。この映画を観る代わりにペンキが乾くのを眺めて数時間無駄に過ごしても、面白さと独創性はほぼ同レベル!

typical: 典型的な
subject (人) to: (人)を~にさらす
tiny: ごく小さい、ちっぽけな
aspect: 面、様子
as is the case with: ~と同様に
virtually: 実質的には、ほぼ
border: 国境
overshadow: 影を投げかける、見劣りさせる
huge dose of: 大量の
stomach turning: むかつかせる、胸糞を悪くさせるような
sentimentality: 感傷、センチメンタルさ
stereo-typical (ハイフンなしのstereotypicalが一般的): 型にはまった、ありふれた
paint: ペンキ
original: 独創的な、興味深い

★「every tiny, boring aspects of」とありますが、「every」の後には単数名詞がきますので、「aspect」が正しいです。

★「leaves it’s borders」とありますが、「it’s」は「its」の誤記です。「日本」を表す代名詞「it」の所有格ですね。